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2023-01-11
確率過程の統計推測の最近の展開 2023 (2/20, 3/7)
日時: 2023年2月20日(月) ,3月7日(火)
会場: Zoom および 東大数理棟(2月20日),統計数理研究所(3月7日)
ハイブリッド形式の研究集会を行います.参加を希望される方はそれぞれの日程の参加登録をお願いします.
2月20日(月)
(オンライン参加)https://us06web.zoom.us/meeting/register/tZYtcOmppz0sGtLVsLyRVeKhYkoyNiLByHVY
(現地参加)https://forms.gle/aEGgyUpVDCG3Jgdw5
3月7日(火)
(オンライン参加)https://us06web.zoom.us/meeting/register/tZYpfuCvqzgrGdxWDJ_55mkmPLZ1YCrJ29h4
(現地参加)https://forms.gle/aEGgyUpVDCG3Jgdw5
発表者リスト
2月20日
13:00-13:30 仲北 祥悟(東京大)
13:40-14:10 小池 祐太(東京大)
14:20-14:50 吉田 淳一郎(東京大)
15:20-15:50 渡名喜 庸蔵 (大阪大)
16:00-16:30 草野 彰吾(大阪大)
16:40-17:20 井口 優雅(UCL)
3月7日
13:40 - 14:10 馬場 智也 (東京大)
14:20 - 14:50 荻原哲平 (東京大)
15:00 - 15:30 鎌谷 研吾 (統数研)
16:00 - 16:30 鈴木 大慈 (東京大)
16:40 - 17:20 増田 弘毅 (九州大・東京大)
タイトル・アブストラクト
確率微分方程式クラスについて一様なエルゴード性評価
確率微分方程式の解の推移カーネルと不変分布の間の全変動距離について、適当な確率微分方程式のクラスに対して一様な収束評価を導出する。特に全変動距離が指数レートで減衰するクラスと劣指数レートで減衰するクラスを与える。またジャンプ項がある確率微分方程式についての結果も紹介する。
High-dimensional bootstrap and asymptotic expansion: A first attempt
独立な確率ベクトルの和の成分の最大値として与えられる統計量の分布に対するブートストラップ近似は,次元がサンプル数よりもはるかに大きいような超高次元の設定においても適当なモーメント条件下で正当化できることがChernozhukov, ChetverikovおよびKatoらによる近年の研究によって明らかにされた.データの歪度がある程度大きい場合,3次モーメントまでマッチさせるようなブートストラップ近似の方が,正規型の近似よりも有限標本でのパフォーマンスが優れていることが数値実験によって観察されているが,既存の理論的結果はこのことを説明できない.本報告では,漸近展開によってこの現象を説明する試みについて紹介する.
Quasi-maximum likelihood estimation and penalized estimation under non-standard conditions
非正則な条件下での擬似最尤推定量及び罰則付き擬似最尤推定量の漸近挙動を導出可能とする包括的な研究結果について述べる。ここで非正則な条件とは、真値がパラメータ空間の境界に位置する場合及びそもそも真値が唯一に定まらない(識別不可能性)場合を指す。前者の場合における我々の結果は先行研究の一般化であるといえる。後者の場合では、罰則項により漸近挙動を安定させることでオラクル性を持つ推定量を得る。
2次元線形放物型SPDEモデルの係数パラメータの推定
高頻度時空間データに基づいた2次元線形放物型確率偏微分方程式(SPDE)モデルの係数パラメータの推定を考える。
最初にSPDEの微分作用素に付随する固有関数に現れるパラメータの最小コントラスト推定量を構成し、SPDEの座標過程を近似する。
次に、近似座標過程を用いて座標過程のボラティリティパラメータを推定する。
これらの推定量を用いてSPDEの係数パラメータの適応的推定量を構成し、漸近的性質について述べる。
さらに、得られた推定量の漸近挙動を数値実験により検証する。
最初にSPDEの微分作用素に付随する固有関数に現れるパラメー
次に、近似座標過程を用いて座標過程のボラティリティパラメータ
これらの推定量を用いてSPDEの係数パラメータの適応的推定量
さらに、得られた推定量の漸近挙動を数値実験により検証する。
高頻度データに基づく拡散過程に対する構造方程式モデリング
構造方程式モデリングとは直接観測できない潜在変数を導入し、潜在変数や観測変数の間の因果関係を検証するための多変量解析法である。本研究では、高頻度データに基づく拡散過程に対する構造方程式モデリングを提案する。まず、構造方程式モデルに対して未知パラメータの擬似尤度関数を導出する。次に、疑似最尤推定量や適合度検定のための擬似尤度比検定統計量を構成し、これらの漸近的性質を示す。最後に、提案した統計量の漸近挙動を数値シミュレーションにより検証する。
Parameter Estimation with Increased Precision for Elliptic and Hypo-elliptic Diffusions
We consider parameter estimation for elliptic/hypo-elliptic diffusions. Established approaches for likelihood-based estimation invoke a numerical time-discretisation scheme for the approximation of the (intractable) transition dynamics of the Stochastic Differential Equation (SDE) over finite time periods. Especially in the setting of some class of hypo-elliptic models, recent research (Ditlevsen and Samson 2019, Gloter and Yoshida 2021) has highlighted the critical effect of the choice of numerical scheme on the behaviour of derived parameter estimates. In this work, first, we develop two weak second order ‘sampling schemes' (to cover both the hypo-elliptic and elliptic classes) and generate accompanying ‘transition density schemes' of the SDE (i.e., approximations of the SDE transition density). Then, we will show a collection of analytic results that solidifies the proposed schemes and showcases advantages from their incorporation within SDE calibration methods, in both high and low frequency observations regime. Typically, in the hypo-elliptic setting, our new contrast estimator (constructed from the transition density scheme) achieves an asymptotic normality under the weakest requirement for the observations step-size in the literature. If time permits, I will also talk about the ongoing works related to hypo-elliptic diffusions with interesting examples, e.g., generalised Langevin equation. This is a joint work with Alexandros Beskos and Matthew Graham (https://arxiv.org/abs/2211.16384 ).
Weighted log-rank test for imbalanced data with coarsened exact matching
共変量分布が不揃いな2つの集団の生存時間を比較する問題を考える.2群の共変量の不揃いを修正するために最もよく使われる統計手法は,ロジスティック回帰モデルによって推定された傾向スコアを用いたマッチングや重みづけである.この方法は,傾向スコアのモデルへの当てはまりが悪い場合にはうまく働くとは限らない.本発表では,ノンパラメトリックな手法であるcoarsened exact matchingと,そこから計算される重み付きlog-rank検定統計量を紹介する.適切な仮定の下で,この検定統計量の漸近正規性と検定の一致性を証明する.また,従来の傾向スコアを用いたlog-rank検定とcoarsened exact matchingに基づいたlog-rank検定のパフォーマンスをシミュレーションによって比較する.
退化した拡散過程に対する局所漸近混合正規性
拡散係数が退化した拡散過程の統計モデルに対する局所漸近混合正規性の結果を紹介する.局所漸近混合正規性は統計モデルにおける推定量の漸近有効性を定義する上で重要な性質となる.本研究では、Jeganathan (Sankhya 1982)によるL^2 regularity conditionを用いたスキームにMalliavin解析のテクニックをあわせることにより,推移確率密度の評価を回避して退化拡散過程の局所漸近混合正規性の結果を得る.さらに観測をブロック化することにより,観測されない成分のあるpartial observation modelにおいても局所漸近正規性が成り立つ結果を紹介する.この結果はGloter and Gobet (AIHP PS 2008)における積分観測モデルに対する局所漸近混合正規性の結果を拡張したものとなる.
区分確定的マルコフ過程によるモンテカルロ法
ランジュバン動力学に関する最近の話題
Mixed-effects location-scale model based on generalized hyperbolic distribution
Motivated by better modeling of intra-individual variability in longitudinal data, we propose a class of location-scale mixed effects models, in which the data of each individual is modeled by a parameter-varying generalized hyperbolic distribution. We first study the local maximum-likelihood asymptotics and reveal the instability in the numerical optimization of the log-likelihood. Then, we construct an asymptotically efficient estimator based on the Newton-Raphson method based on the original log-likelihood function with the initial estimator being naive least-squares-type. Numerical experiments are conducted to show that the proposed one-step estimator is not only theoretically efficient but also numerically much more stable and much less time-consuming compared with the maximum-likelihood estimator.